現在特集記事はありません。

残業代請求

未払い残業代が増える?~2017年の民法改正で変わる残業代請求~2018.10.26

このコラムのポイント

  • 現在の未払い残業代請求は最高2年分
  • 2020年に施行される改正民法の影響で、2年分以上残業代請求できる可能性がある
  • 現在、厚生労働省で検討中

消滅時効とは

未払い残業代を請求する権利(債権)は、給料の支払い日から2年で消滅することになっています。これは労働条件の最低基準を定める「労働基準法」で規定されています。
そのため現在は(平成30年)、最大で2年分の未払い残業代を請求できることになります。

“労働基準法115条”

この法律の規定による賃金(退職手当を除く。)、災害補償その他の請求権は二年間、この法律の規定による退職手当の請求権は五年間行わない場合においては、時効によって消滅する

民法と労働基準法との関係

六法イメージ画像

一般私人間の法律関係を定める「民法(みんぽう)」において、一般債権(売掛金や貸金など)については消滅時効期間が10年とされている一方、給料については1年とされていました。

しかし、生活基盤を支える給料について消滅時効期間を1年とすると、労働者の保護に欠けることから、労働基準法で2年と定められた経緯があります。

法律には、「特別法は一般法に優先する」という考えがあり、一般私人間の法律関係を定めた一般法である「民法」より、労働条件に関しては、その特別法である「労働基準法」の内容が優先します。

そのため、未払い残業代については、民法に定める1年ではなく、労働基準法にある2年が消滅時効期間となります。

2017年5月の改正民法が残業代請求に与える影響

2017年5月、一般法である民法について、大きな改正がありました(「民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号)」および「民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」(平成29年法律第45号)。以下「改正民法」)。

改正民法では、債権の消滅時効期間は、基本的に「債権者が権利を行使することができることを知った時から5年」とされました(改正民法第166条1項1号)。

もっとも、先ほど説明したように、未払い残業代の消滅時効期間を定めた「労働基準法」が、「民法」より優先するということであれば、未払い残業代の期限は「2年」のままということになってしまいます。

厚生労働省「賃金等請求権の消滅時効の在り方に関する検討会」

もし、このまま民法のみが改正され、労働基準法が改正されないとすると、賃金の消滅時効期間が他の一般債権よりも短くなってしまいます。これでは、せっかく労働基準法で民法よりも労働者に有利な消滅時効期間を定めた意味がなくなってしまいます。

そもそも、今回成立した改正民法における「時効」に関する改正は、「時効期間の統一」「時効期間の簡素化」を目的としています。そこで、厚生労働省において労働者保護と取引安全の観点から、現行の労働基準法で定められた消滅時効の特則と改正民法のあり方を検討する会が設置されました(「賃金等請求権の消滅時効の在り方に関する検討会」。以下「検討会」)。

労働基準法における消滅時効の改正の可能性

タイムカード

今後、仮に現行の労働基準法115条(消滅時効期間2年)が改正された場合には、消滅時効期間が2年から延長される可能性が高いといえます。

たとえば、一般法である改正民法と同様の5年となった場合には、これまで消滅時効で請求できずにいた2年分よりも多額の残業代を請求することが可能となり、長期間にわたって過酷な労働環境下で働いてこられた方にとっては、大きな希望となるかもしれません。

今後の動き

改正民法は、2020年に施行が予定されています。その頃には、先の検討会においても労働基準法における未払い残業代の消滅時効について方向性が示されているかもしれません。

しかし、法律は施行以降の法律関係について適用されるのが基本ですから、現在未払い残業代請求を考えている方においては、消滅時効の問題もあるため、早めに弁護士に相談されることをお勧めいたします。

残業代請求の時効が3年?
2019年12月27日に開かれた厚生労働省での労働政策審議会分科会で、残業代の時効は当面3年とする方針が決まりました。先に解説させていただいたとおり、5年の時効延長が議論となっていたにもかかわらず、なぜ当面3年となったのか、その経緯を含め、いつから残業代請求の時効が3年になるのかについて、こちらで解説しています。

「残業代請求の時効が3年?」についてはこちら

未払い残業代無料診断のご予約・お問い合わせ
※お電話がつながらない、またはつながりにくい場合は、お電話がつながりにくい場合ページをご確認ください。
0120-610-783
相談予約受付時間
平日・土曜日/9:00〜20:00
メールでお問い合わせ
				年中無休・24時間受付
TOP
0120-610-783
お問合せ
TOP
相談予約受付時間:(平日・土曜日)9:00〜20:00