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残業代請求

労働基準監督署で未払い残業代請求の相談はどこまでできる?2019.06.11

このコラムのポイント

  • 労働基準監督署の役割と限界
  • 労働基準監督署への相談方法
  • そのほかの労働紛争解決手段

「毎月長時間残業をしているわりには給料が安い…」

「固定残業制だから、いくら残業しても給料があがらない…」

「残業代が支払われないのは、そもそも違法では?」

ご自身の会社で、このような残業代の支払いに対する疑問を抱いたことはないでしょうか。会社側に直接残業代について確認できればよいのですが、関係悪化を恐れて聞きにくい方も多いと思います。こういった疑問について相談できる機関として「労働基準監督署」があり、さまざまな労働問題の相談に応じています。

労働基準監督署とは

まず、労働基準監督署の業務について最初に確認しておきましょう。

労働基準監督署とは、労働基準法など労働者保護を目的とした法律に基づいて、事業者を監督したり、労災保険の給付などを行う厚生労働省の出先機関です。全国47都道府県に321署(2017年3月時点)あります。

労働基準監督署で相談できる労働問題

労働基準監督署では、未払い賃金の問題をはじめ、さまざまな労働問題の相談に応じてくれます。主な相談内容として、解雇(リストラ・懲戒)、雇止め、配置転換(出向)、賃金切下げ、採用取消しなど、募集・採用関連、退職強要、退職金、いじめやパワハラなどがあります。予約の必要がなく、利用は無料で、労働者と事業者どちらからの相談も受け付けています。

労働基準監督署で相談できること
  • 賃金の未払い
  • 退職金の未払い
  • 割増賃金(残業代・休日手当・深夜手当等)の未払い
  • 不当な解雇(リストラ)
  • 不当な懲戒処分
  • ハラスメント問題 など

労働基準監督署の限界

労働基準監督署に相談すれば、全ての労働問題が解決するわけではなく、原則として労働基準監督署の権限内でしか対応ができません。そのため、労働基準監督署がどこまで、どのような対応をしてくれるのか知っておくことが大切です。

例えば、労働基準監督署は未払い残業代について、経営者に対して未払いとなっている状況を是正するよう指導することはできますが、未払い賃金の支払いを命じ、実際に回収することはできません。ただ、労働基準監督署は警察のように「強制捜査」「逮捕」などの権限があり、また、労働法違反行為について書類送検などができるため、事業主に対して間接的にプレッシャーを与え、事実上支払いを強制する、ということもあります。

この他にも、人事評価が公平かどうかなど、労働基準監督署の業務範囲外の事案については、明確な判断やアドバイス、具体的に動いてもらうことができないケースもあります。

労働基準監督署で相談するための準備

では、残業代未払いを例にとって、労働基準監督署に相談する場合の準備を具体的にみていきましょう。

証拠となる資料を集める

まずは、事業主側が残業代を支払っていない証拠となるものを集めましょう。事業者側の違法性が明確であればあるほど、労働基準監督署も具体的に対応してくれる可能性が高くなります。

一番大切なのは、働いた時間の記録です。シフト表やタイムカードの記録が正確性を欠く場合、ご自身で労働時間と担当した仕事内容なども合わせて記録しておくとよいでしょう。給与明細や、残業代について記載のある就業規則なども用意しておきましょう。こうした客観的な証拠があることで、労働基準監督署は「残業代未払い」の事実を確認することができ、事業者に対して改善をもとめる指導や是正勧告を行うことができます。

相談したい事項をまとめる

残業代の未払いについて、状況を整理しておきましょう。「いつ頃から残業代が支払われていないのか」「どのくらいの時間分、あるいは金額分の残業代が支払われていないのか」を、まとめておくとよいでしょう。

なお、残業代の計算については労働基準監督官が、タイムカードなどの資料をもとに計算を行ってくれる場合があります。残業代の計算方法が分からなくてもよいので、まずは証拠となる資料をあつめ、残業代の未払いとなっている状況について書き出しておくようにしましょう。

さらに、違法性を証明できる根拠・証拠(雇用にあたっての契約書や残業代について明記された就業規則など)が、「あなたの手元にあるのか」「勤務先である職場にあるのか」についても、まとめておきましょう。

相談の流れ

労働基準監督署への相談には、電話か直接訪問による面談があります。ただし、電話による相談はあくまで窓口としての位置づけとなり、一般的な解決方法のアドバイス程度になるので、重大なトラブルであれば、直接訪問することをおすすめします。

匿名での対応が可能なため、相談していることを会社に知られたくない方は、安心して相談することができます。また、法律に照らしあわせた具体的なアドバイスを受けることができ、解決に向けたその後の対応についても参考になると思います。

労働基準監督署から勤務先への対応

労働基準監督署に「相談」だけではなく、事業者に対して「違法な労働状態の改善」をもとめる行動をとってもらいたい場合には、「申告」をおこなうことが必要です。

労働者からの申告にもとづき、労働基準監督署は会社の経営者や労務管理者を呼び出したり、事業場を訪問し調査等をおこないます。その際、事業者側に法令違反があると判断されれば、労働基準監督署は、事業者に対して改善させるための指導や是正勧告を行います。

労働基準監督署の「指導」「是正勧告」とは
「指導票(しどうひょう)」
労働基準監督署が、事業場を訪問し調査を行います(臨検監督)。その際に、「法令違反ではない」けれど、その可能性がある場合に「改善することが望ましい」として事業者に交付される書面です。事業者はその指導内容に従う必要はなく、あくまで努力義務となります。
「是正勧告書」とは
労働基準監督署が「法令違反」と認めた場合に、違反内容とその是正すべき期限が指定され事業者に交付されます。労働基準監督官の勧告に従わない場合、検察庁へ送検される可能性があるので、事業者は是正勧告を無視することが難しくなります。

事業者は、事業場への訪問を受ける以外に労働基準監督署から「出頭通知」を受けることがあります。出頭拒否するなど、きちんと対応しなかった場合には、逮捕や送検される可能性があります。

労働基準監督署の役割は、あくまで違法状態の是正であり、労働者の未払い賃金を回収することではありません。このため、労働基準監督署の「指導」「是正勧告」が行われたにもかかわらず、事業者が残業代の支払いをしない場合であっても、お金を強制的に支払わせることはできません。そのため、残業代等の支払いまで受けたい場合には、次の手段を検討されるのがよいでしょう。

労働基準監督署の相談で解決できない場合

裁判所での手続きの利用

労働基準監督署による事業者への「指導」「是正勧告」は、法令違反の可能性や事実を指摘して、当事者による自主的な解決をうながすものです。そのため、なんらかの措置を強制するものではありません。

具体的に、残業代や賃金、退職金の未払いについて解決したい場合には、裁判所の手続きを検討することになります。裁判所での手続きには、訴訟や労働審判、調停、支払督促(しはらいとくそく)などがあります。どの裁判手続きをとるのがよいのか、あなたの具体的な事情や手続きごとの特徴、希望によって変わってきます。日常的に裁判所での手続きをおこなうことの多い弁護士に相談のうえ、どのような解決方法がベストなのか、一度検討されるのもよいでしょう。

弁護士に依頼するメリット

本コラムでお伝えしてきたとおり、労働基準監督署は労働問題のすべてを解決してくれるわけではなく、残業代の未払い請求のような場合、指導などを行うことしかできず、実際に未払い残業代の回収までをおこなってもらうことができません。そのため、実際に未払いとなっている残業代や賃金などを取り戻したい場合には、弁護士に相談することをおすすめします。

そもそも、弁護士に依頼することのメリットとは何でしょうか。大きなメリットは、法律に基づいて残業代を正確に計算し、適切な金額の請求を行うことができることです。

また、事業者との交渉や裁判手続きにおいて、弁護士があなたの代理人として交渉窓口となり、面倒なやりとりの一切を任せることができます。ご自身で勤務先の会社とトラブルを抱えるのは避けたいという方も多いと思いますが、弁護士が代理人となった場合、残業代に関するやり取りは、全て弁護士が行います。

次に、具体的な残業代金額の計算など、必要な事務処理や手続きの大半を任せられることです。事業者が交渉で残業代の支払いに応じない場合には、最終的に訴訟を行うことになりますが、訴訟の手続きのみならず、任意で交渉している際にも書面作成などを全てまかせることができます。

ご自身で解決をはかりたい場合には、労働基準監督署での相談・申告という方法もありますが、未払い残業代や賃金・退職金についての支払いをきちんと受けたいという場合には、弁護士に相談のうえ回収できるかの見込み、解決までの見通しについてアドバイスを受けるのがよいでしょう。

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