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【弁護士が解説】失業保険の受給条件と手続きの方法2019.10.07

退職を考えている方にとって気がかりなのが、失業保険。退職してから再就職するまでの生活費を支えてくれるものですから、スムーズに受け取りたいもの。実はこの失業保険、受給の手続が意外と複雑で面倒なのです。退職した後、スムーズに失業保険を受け取れる方法について、労働問題に詳しい弁護士が解説します。

なお、実は「失業保険」は法律上の正式名称ではありません。正しくは雇用保険法に定められた「失業等給付」の「基本手当」のことを指します。このコラムでは、一般の方になじみのある「失業保険」で説明させていただきます。

失業保険の受給条件について

まずは、失業保険を受け取る条件を確認しましょう。失業保険を受給するには、以下の条件を満たしていなければなりません。

1、雇用保険の被保険者期間が過去2年間で合計12か月以上(会社都合の場合は6カ月)あること
失業手当は雇用保険の加入により支払われるものです。いわゆる「自己都合退職」と「会社都合退職」では必要な加入期間に違いがあることも覚えておきましょう。
2、ハローワークにて求職を申し込みし、本人に働く意志、能力があるのに、本人やハローワークの努力によっても就職できない状態にある
失業手当の目的は、退職者が次の就職先を見つけるまでの生活保障です。働く意志がない場合は受け取ることができません。

失業保険の受給条件の「2」は「失業の状態」といえますが、次のような場合、失業には当たらないとされ、失業保険が支給されません。

  • 病気やケガ、妊娠・出産・育児ですぐに就職できない場合
  • 定年退職など

退職したらハローワークで手続きを行う

実際に退職をしたら、あなたの現住所を管轄するハローワーク(公共職業安定所=職安)へ必要書類を提出し、求職申込みをします。失業保険の手続きは、求職申込みのあとに行います。

必要書類

  • ・雇用保険被保険者離職票-1
  • ・雇用保険被保険者離職票-2(1の複写になっている)
  • ・雇用保険被保険者証
  • ・印鑑
  • ・個人番号確認書類(マイナンバーカード、通知カード、個人番号記載の住民票など)
  • ・証明写真2枚(3cm×2.5cm)
  • ・本人確認ができるもの(写真付き)
  • ・普通預金通帳(本人名義のもの。ハローワークによってはキャッシュカードも可)

以上を窓口に提出します。簡単な質問を受けたあと、問題がなければ「雇用保険受給資格者のしおり」と「失業認定申告書」などを受け取り、手続は終了です。

退職準備からハローワーク申込みまでの流れ
退職準備(書類の準備)
  • 雇用保険被保険者証(勤務先から交付)
  • 離職票(勤務先から交付)
  • 雇用保険被保険者資格喪失届(勤務先から交付)
  • 離職証明書(勤務先から交付)
ハローワーク
  • 求職の申込み(求職申込書の提出)
  • 必要書類の提出
  • 職員から退職理由等の質問
  • 受給資格の決定
  • 離職理由の判定(自己都合または会社都合退職)
    ・雇用保険受給資格者のしおり等の資料を受領
  • 雇用保険受給説明会の日時の指定(次回訪問日)

なお、元勤務先から受け取った「離職票」に書かれている「離職理由」について「異議」がある場合には、元勤務先から離職理由についてヒアリングをおこなうなどして、ハローワークが「離職理由」を判断します。

意外かもしれませんが、「離職理由」を判断するのは勤務先でもあなたでもなく、ハローワーク(公共職業安定所の所長)です。

これは、「離職理由」によって失業保険(基本手当)がもらえる日数やもらえる時期が変わるからなのです。

ですから、「離職理由」をいい加減に申告すると、思わぬデメリットを受ける可能性があります。説明が面倒だからといって、安易に「一身上の都合です」などと言わないようにしましょう。

雇用保険受給説明会から受け取りまで

失業保険の手続は、申請したらそれでおしまい、というわけではありません。

実際に失業保険が給付されるまでには「待期期間」「雇用保険受給説明会への参加」「一定の求職活動をおこなう」「失業認定日にハローワークへ行く」ということが必要になってきます。

待機期間とは

失業保険は、辞めたその日の分からもらえるわけではありません。

ハローワークに行った日(失業保険の申請をし、受給資格が決定した日)から7日間、失業の状態であることが受給の条件になり、その間の分は失業保険が支給されません。この7日間を待機期間といいます。

待機期間は、本当に失業していることを確認するための期間です。このため、期間中に何らかの仕事をした場合、働いた日数分待機期間が延長されます。

さらに、正当な理由のない自己都合退職や懲戒解雇による退職の場合には、待期期間の7日間に3カ月の給付制限期間を経過してから支給対象となります。

また、後で述べるように、実際にお金が振り込まれるのは、最初にハローワークに行ってから約1カ月後になりますので、注意が必要です。

待機期間に関する注意点

自己都合退職などで、7日間の待機期間+3カ月の給付制限がある場合、家計の補助としてアルバイトを検討される方がおられるかもしれません。失業保険を受けている間において、アルバイトは可能ですが、どの段階にいるかによって注意すべき点が異なってきます。

「7日間の待期期間中」の場合

アルバイトとして働くことはできません。アルバイトの「応募」をする場合には、あらかじめハローワークに申告するようにしましょう。

「3ヵ月の給付制限期間中」の場合

1週間の所定労働時間が20時間以上にならない範囲で、アルバイトをおこなうようにしましょう。ハローワークに就職したとみなされてしまうと受給できなくなる可能性があるため、あらかじめアルバイトを行う際には管轄のハローワークで、どのような範囲であれば可能か確認するようにしてください。なお、この期間におけるアルバイトで失業保険の減額はありません。

「失業保険受給中」の場合

ハローワークに相談のうえ、どのような範囲であればアルバイトを行うのが可能か確認するようにしてください。失業保険受給中のアルバイトは可能ですが、失業保険は働いた分が先送りになるだけで、失業保険の総額は変わりません。

雇用保険受給説明会

管轄のハローワークで雇用保険についての説明を受けます。先の求職申込の手続きの際にいつ説明会に参加するのか日時指定の案内があります。

説明会終了後に写真付きの「雇用保険受給資格者証」「失業認定申告書」を受け取ります。この際、初回の失業認定日について通知を受けます。

なお、この説明会への参加は就職活動とみなされるので、失業認定申告書に「初回講習会参加」と書いてハローワークへ提出しましょう。

初回の失業認定日

説明会参加から2週間前後で初回の失業認定日があります。

その際、「雇用保険受給資格証」と「失業認定申告書」が必要です。この認定日にハローワークに行かなければ失業状態であることが確認できないため、雇用保険が支給されません。この場合、失業認定を受けるために必要な「就職活動の実績」が無効になりますが、受給期間内(1年間)であれば、受け取ることができなかった期間分は繰り越して受け取ることができます。

失業の認定後に、指定した預金口座に失業保険が振り込まれます。

なお、初回の失業認定日以降、認定日に次回の認定日が指定されます。就職活動を行い、4週間に1度はハローワークで認定を受け、失業保険の給付を受けることになります。

求職申し込み後、失業保険の給付を受けるまでの流れ

待機期間(失業保険が支給されない期間)

基本 7日間(待期期間)
例外 7日間(待期期間)+3カ月(給付制限期間)

※給付制限がつく場合

  • ・正当な理由のない自己都合退職
  • ・懲戒解雇

ハローワーク

  • 雇用保険受給説明会
    • ・雇用保険受給資格者証、失業認定申告書を受領
  • 初回失業認定日について連絡

ハローワーク・求人企業

失業認定日までに求職活動実績が必要

初回失業認定日 2回目 3回目
3カ月の給付制限
「あり」の方
1回以上 2回以上 2回以上
3カ月の給付制限
「なし」の方
1回以上 3回以上(初回認定分含む) 2回以上

求職活動実績となる一例

  • ・求人への応募(民間職業紹介会社、友人知人の紹介等含む)
  • ・ハローワークでの相談
  • ・合同転職セミナー/フェアーへの参加
  • ・職業訓練への応募や資格試験の受験

ハローワーク

失業認定日

失業保険の支給

指定口座に失業保険が振り込まれる

ハローワーク・求人企業

求職活動

以降、4週間ごとに失業認定を行いますが、求職活動を行っていることが同認定のための条件になります。

まとめ

ここまで、いわゆる失業保険の受給要件と申請方法について解説してきました。実際に退職することになった場合には、失業保険の手続以外にも気になることや不安なことがたくさんあると思います。

解雇や未払い残業代など、退職をめぐるトラブルにお悩みの方は、弁護士などの専門家にご相談されてみるとよいでしょう。

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