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残業代請求

諦めないで!タイムカードがない場合の残業代の請求方法2019.07.24

ブラック企業が社会的な問題となる中、とりわけ残業代の未払いは深刻な問題です。原則1日8時間、週40時間を超える労働には「割増賃金」として、いわゆる「残業代」が支払われます。

この残業代を含めた給料(賃金)は「労働」に対する対価で、労働者にとっての権利です。しかし、実際には残業代などを支払わない企業が少なくありません。

残業代を使用者に請求する場合、勤怠記録の証拠資料(タイムカードなど)をもとに「時間外労働」の時間から残業代を計算し、会社に請求します。それでは、労働時間の証拠資料となるタイムカードなどがない場合、残業代請求をあきらめなければならないのでしょうか。

労働時間の把握は、使用者の義務

法律上、使用者による労働者の「労働時間の把握は義務」とされています。

そのため、使用者が(1)働いた日ごとに「始業」「就業」時刻を確認することができるよう、(2)タイムカード、ICカード等の客観的な記録をするよう、厚生労働省から具体的に示されています(『労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン(2017年1月20日策定)』)。

実際には、タイムカードをレコーダーに通して打刻して、始業・終業時刻を記録している事業場が多いように思います。このような労働時間に関する記録は、3年間保存することが義務とされています。

タイムカード等がない場合の残業代請求の方法

労働日や始業終業の時刻が記録されているタイムカード等は、残業代を計算する際に一番大切な証拠資料になるものです。

一方で、そもそも勤怠管理をしていない会社や、残業をしているにも関わらず、定時になったら全員のタイムカードを打刻させるといったように、タイムカードの適正な運用をしていない会社もあります。このように、正確な労働時間が記録されていない場合には、どのように残業代を計算し、請求したらよいでしょうか。

タイムカードに代わる勤怠記録の証拠

残業代の請求をする際の資料といえば、真っ先にタイムカードを思い浮かべる方が多いでしょう。

しかし、インターネットが普及した現在では、ICカードによる勤怠管理など、労働時間の記録方法はさまざまです。そのため、タイムカードそのものがなかったとしても、ご自身の労働時間の記録や証拠として使える資料が眠っている可能性があります。残業代請求を考えている方は、できるだけ在職中にこれらを集めるようにしてください。

ご注意ください
会社によっては、データの外部への持出し自体が禁止されている場合があり、雇用契約書や就業規則で罰則規定が設けられていることもあります。持出しのできる合法的な範囲や方法についても法律上の限界があるため、ご注意ください。残業代の資料集めについてお悩みの方は、一度弁護士までご相談のうえ、対応を検討されることをお勧めします。
パソコンのログイン情報

例えば、あなたがいつも業務に利用しているパソコンがあり、出社時に起動し、退社時に電源を落としているような場合は、使用状況を記録したデータ(ログイン情報)がパソコンに残っていることがあります。このログイン情報をもとに、労働時間を証明することが可能になる場合がありますので、まずはログイン情報があるか確認してください。

ログイン情報の確認方法(Windows10のパソコンの場合)

  • (1)「Windows(スタートボタン)」のアイコンをクリック
  • (2)「設定」アイコンをクリック
  • (3)「Windowsの設定」と題するウィンドウが開く
  • (4)「設定の検索」窓で、「イベント ログの表示」で検索すると「イベントビューアー」が開く
  • (5)イベントビューアーの左に並ぶメニューから「Windowsログ」をクリックし、詳細メニューを開く
  • (6)「システム」の上で右クリックし、「すべてのイベントを名前をつけて保存」を選択し、保存する
メールの送受信記録

業務用のメールアドレスでやりとりしているメールの送受信記録は、労働時間を証明するのに十分な証拠となり得ます。

事務所の社員間の業務連絡はもちろん、取引先とのメールのやりとりなども対象になります。

ICカードによる入退室記録

職場で勤務していたことを証明する場合、タイムカードそのものがなくとも、それに近い勤怠記録がいくつかあります。例えば、職場のビルやオフィスの部屋ごとにIDカードで出入りのデータを記録している場合、その入退室データはタイムカードと同等の勤務証明になり得ます。

営業日報などの記録

日々の業務状況を記録する日報も、ご自身の勤怠記録として証拠にすることができます。

なお、これらの記録について、「原本」や「データそのもの」がなく、写し(コピー)であっても十分な証拠となります。

手書きメモ

タイムカードと同様に始業時刻や終業時刻、休憩時間を、手帳やノートに記録したものも、勤怠記録の代わりになります。

勤務先によりタイムカードを改ざんされている場合や、勤怠管理がまったく行われていないような場合には、ご自身で記録に残すことをお勧めします。その際に、単に時間のみを記録するだけではなく、どのような業務処理・対応をおこなったかも合わせて記録することがよいでしょう。時間外に業務を行った場合には、上司からの指示があったか、時間外に業務をおこなう必要性があったのかなど、具体的に記録しておくことで、その記録の信用性が高まります。

家族とのメッセージやLINEのデータ

仕事を終えて帰宅するときに、家族へ携帯電話やスマートフォン、SNS(LINEやツイッター、Facebookなど)のメッセージを利用している場合、時間外労働(残業)をしていることの証拠として利用できることもあります。

Facebookのメッセージデータの保存方法(2019年5月1日時点)

  • (1)パソコンでログイン
  • (2)画面上部、右端「▼」から「設定」をクリック
  • (3)画面左のメニューから「あなたのFacebook情報」をクリック
  • (4)「個人データをダウンロード」から「見る」をクリック
  • (5)「新しいファイル」の「期間」から、対象となる期間を選択・指定のうえ、フォーマット「HTML」。メディアの画質は「中程度の品質」以上を選択
    「あなたのFacebook情報」の箇所で、「メッセージ」のみチェックをいれ、「ファイルを作成」ボタンをクリック
  • (6)ダウンロードが可能になった時点で、Facebookから通知が届きますので、通知が届き次第、ダウンロードを行う
その他(デジタルタコグラフなど)

勤務状況がタイムカードなどで管理されていない場合でも、ドライバーの方であれば車のデジタルタコグラフやETCカードの履歴、或いは、直行直帰が多い営業職の方における営業日報やSuica等の交通系ICカードの利用履歴など、ほかにも業種に応じた勤務状況を裏付ける記録があります。

あなたの勤務状況に合った証拠がありますので、証拠の種類や集め方などを、まずは一度弁護士にご相談のうえ、今後の対応について検討されることをお勧めします。

会社から勤怠記録の開示を受ける方法

ここまで見てきたように、タイムカードがない職場でも、それに代わるご自身の実際の就業時間を証明できる資料を集めさえすれば、未払い残業代を計算することができますし、実際に残業代を取り戻すことができる可能性が高まります。

タイムカードに代わる勤怠記録について解説してきましたが、その一方で、その記録自体が会社に保管されており、退職後に開示をうけることが難しい場合、どのようにすれば証拠を集めることができるのでしょうか。タイムカードや、それに代わる記録が手元にないからといって、あきらめることはありません。次の方法により、会社から勤怠記録を開示してもらう方法があります。

内容証明郵便で残業代請求とあわせて、開示を請求

内容証明郵便で残業代の請求をおこなう場合、正確な残業代を計算するためにタイムカードなどの勤怠記録の開示を求めることもできます。もちろん、開示に応じるかどうかは、勤務先の判断によります。そのため、開示されない場合もあります。また、そもそも開示された勤怠記録を改ざんされる可能性もあるため、開示された場合には、時間外労働が正しく記録されているかを確かめる必要があります。

裁判手続の中で、開示を請求

交渉しても相手が支払わない場合、民事訴訟などの裁判手続により残業代を請求することも可能です。その中で、会社が勤怠記録を保管していることが明らかな場合には、開示を求めたり、文書の提出命令を申立てる方法もあります。

また、訴訟を起こす前に、勤怠記録を処分する可能性が高い場合には、「証拠を押さえる」ための手続をとることも可能です(証拠保全手続)。

勤怠記録がなくてもできる、残業代請求の相談窓口

手元に勤怠管理の記録がなくても、残業代請求の相談が可能な窓口があります。相談にあたって、まずは記憶をたどり、時間外や休日・深夜労働をおこなった日や勤務状況についてメモに書きだすようにしておきましょう。具体的な解決をもとめる場合には、やはり具体的に行動されることが「解決の近道」となります。

労働基準監督署などの行政機関

労働基準監督署や総合労働相談コーナー(各都道府県労働局、全国の労働基準監督署内に設置)で、残業代に関する相談が可能です。いずれも予約不要で、無料で相談できます。また、相談したことが勤務先に知られることはなく、秘密厳守で相談することができます。

相談の際には、給与明細や勤怠記録(を書き留めたメモ)などを持参し、相談をするようにしましょう。

弁護士

労働基準監督署が勤務先に対して、残業代未払いに関する改善の指導を行っても、必ず残業代の支払いを行うとは限りません。労働基準監督署は、実際に残業代を回収することまではできないため、その場合は弁護士に相談されることをお勧めします。

弁護士は、具体的に「どのように残業代を回収」するかを考え、解決方法の提示をおこないます。なお、弁護士に相談するタイミングは、退職前でも退職後でもよく、労働基準監督署と合わせて相談をおこなってもかまいません。

残業代を請求できる期間に制限があるため、「回収したい」と思われた際には早めの相談が大切です。

まとめ

タイムカードがなくても、あなたの勤怠状況を証明する証拠や、記録を集める方法があります。そのため、証拠がないからといって諦める必要はありません。時間外の割増賃金をふくめた給料を受け取るのは、労働者としての正当な権利です。しかし、その権利を一定期間おこなわないでいると消滅してしまいます。まずは、あなたの状況に応じた解決方法を、専門家に相談するところから始めてみてはいかがでしょうか。

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